君ありて幸福 【完】

「あたしが聞いた話にはね、あそこの席は所謂VIP席なんだって」

「VIP席?」

「そう。簡単に言えば千鶴さんの仲のいい知り合いとかが許可を取ればあそこに座れるらしくて⋯後はお金を払ってあそこの席を取ることも出来るらしいよ」

「そうなの?」

「うん。だから千鶴さん達の知り合いの男の人とかは金払ってる人もいるし、女の人はその連れとか。後、私達を睨んでくるあの女たちは⋯千鶴さんの夜のお相手とか?」

「え⋯っ」

「まああそこのソファ席に座れるってことは身元もしっかりしてる人ってことだし、いかにも綺麗なお姉様方だからね、千鶴さんが連れてる女の人って大抵あの中の誰かだよ」



自分でソファ席のことを聞いたくせにショックを受けてる自分がいた。

ドクドクと心臓が激しくなっていく。




「まあ千鶴さんて雑食っていうか見境ないのなどうでもいいのかわかんないけど適当な女見つけて遊ぶこともあるらしいけどね」

「⋯⋯っ」

「だけどまああそこのソファ席にいる女の人が一番連れてる確率が高いらしいよ?だからあの女の人達には変な自信と仲間意識が出来てるって。だから金払ってでも女の人はあそこのソファ席に毎日いるの」




あさみの話を聞きながら、泣きそうになっていた。


千鶴さんがそうやって遊んでることも知ってたし、ソファ席にいる人とTrustを出るところも街を歩いてるところも見てきたけど、だけどやっぱりあの女の人達と千鶴さんにはそういう関係があるんだって、色んな人とそういう関係なんだって知ったら心臓が嫌な音を立てて暴れ出した。


千鶴さんが遊んでたってあたしは悲しむ権利ない。


千鶴さんの彼女でもないし、ただのあたしの片思いでしかないんだから。


そう言い聞かせるけど、



「⋯っ」



やっぱり、悲しいものは悲しい。

嫌だって思う。