「もー、雪乃羨ましいっ!てか周りの女とか大丈夫だった?」
ダンダンと足踏みをしたあさみは楽しそうな表情から一変、険しい表情に変えた。
「大丈夫だったって何が?」
あさみが何を心配しているのか分からず問い返す。
「他の女!千鶴さん達のこと狙ってる女たちのこと!」
「⋯ああ、そういうこと」
あさみが何を言いたいのかわかった。
普段二階席に行く時に感じるあの嫌な視線を当然あさみも感じていて、だからこそそれを心配してくれているのだと。
「特には⋯」
「本当に?」
「本当。今まで会話したこともないし」
耳を塞ぎたくなるような悪口はぶつけられるけど、直接話をしたこととかはないし、あたしが気にしなければ何も問題はない。
だけどやっぱり昨日千鶴さんと二人でTrustを出る時、いつも以上に突き刺さる視線が痛かった。
そう、特に────
「あの一階のソファ席にいる女どもいつもすごい勢いで睨んでくるよね」
一階にありながらフロアを見渡せるソファ席の彼女たちからの視線は。



