君ありて幸福 【完】





翌日、学校に着いて教室に入ろうとすると、




「ゆっきのー!」





突然後ろからドン、と衝撃を受けて数歩、前によろめいた。





「おはよう!雪乃ちゃん!」


体勢を立て直し後ろを見れば衝撃を与えた人物、つまり後ろからあたしに覆い被さってきたあさみはいつにも増してハイテンションだった。



「おはよう、あさみ」

「おはよう、おはよう。で?昨日大丈夫だった?」

「昨日って、Trustのこと?」

「そうに決まってんじゃん。変な奴に絡まれたりしなかった?」



あさみはそう話しながらあたしを席に座らせる。

そして前の席の椅子を勝手に借りたらしいあさみはそこにドカッと座った。




「まあ千鶴さん達が居たらそんな心配要らないと思うけどさ」

「うん」

「どんな感じで過ごしたの?」

「千鶴さん達が居てくれたからいつもみたいに話したりして過ごした」

「それなら良かったけど」

「後は途中でご飯食べた」

「ご飯?」

「うん。お腹減ったからって千鶴さんが連れて行ってくれた」

「千鶴さんが?」

「うん。ビックリしたけど⋯」

「二人で?」



驚いた表情のあさみに小さく頷くとあさみは更に表情を驚きに染めた。




「ちょっとその話詳しく」



机に身を乗り出す勢いであさみにそう言われてあたしは昨日のことをあさみに全て話した。