君ありて幸福 【完】


「千鶴さんって?」

あさみの口から出てきた知らない名前に首を傾げる。
さっきから質問ばかりしてしまっているけどそんなあたしに呆れることなくあさみはわかりやすく教えてくれた。




「千鶴さんっていうのは、さっき真ん中にいた黒髪の人の事だよ。有馬 千鶴 (アリマ チヅル)さん。この街の王様」

「有馬千鶴さん···」

ポツリと呟くと心がキュッとなった。



「左右にいた茶髪と金髪の人は茶髪の人が楓也(フウヤ)さんで金髪の人が昴(スバル)さんっていうの。
あの三人は友達っていうのかな?私も詳しい事はわかんないんだけどとにかくあの三人はこの街の支配者なの」

「そうなんだ」

「雪乃も千鶴さん達に興味持った?」

「えっ···!」

ニヤリとしながらあさみに聞かれてわかりやすく動揺してしまう。

「何その反応ー。可愛いやつだなぁ」

「なっ、ち、違うよ別に興味とかじゃ···」

「ふふふ、わかるよわかる。三人とも超かっこいいもんね!」


ニヤニヤするあさみはあたしの言葉なんて聞いてない。


確かに黒髪の千鶴さんを見た時わけがわからない初めての感覚になったけど、興味があるとかそういうんじゃないと思う···。

あさみの言う通り三人、とくに千鶴さんは本当にかっこよくて人生で見た事もいくらい整った顔立ちだったから少しだけドキッとしてしまっただけだ。