「あのっ⋯!」
「雪乃?」
「はい?」
大きな声を出したあたしに二人が振り返る。
「あさみ、あたしやっぱりTrust行きたい。だから一人で行く」
「え、大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。千鶴さんはわかんないけど梓さんなら必ず居ると思うし、ジュース飲みながら梓さんとお話したりしてる。だからあさみは青木くんとデートして」
安心させるように笑うとあさみも「それなら」と頷いてくれた。
「青木くん、あたしの方は大丈夫ですから気にしないで楽しんでください」
青木くんにもそう伝えるとこれまたキラキラな笑顔を見せてくれた。
「ありがとうございます」
と照れくさそうに微笑んで。
「じゃあ雪乃、大丈夫だとは思うけど変な奴に着いていかないようにね」
「大丈夫だよ」
「何か聞かれたらあさみはデートですって伝えといて」
「本気?」
「冗談」
そう言いながら笑うあさみはなんだかんだ乗り気なんだと思う。
「また明日」
「じゃーね雪乃!ほら青木行くよ」
「はい!」
そんなことがあってあたしは今日一人でTrustへと来たわけだ。



