君ありて幸福 【完】



「今は皆チヅに憧れてる。⋯崇拝って言い方の方が正しいかもな。⋯これは後で聞いた話だけどな、チヅがチームを解散させた理由、気紛れとかじゃなかったんだよ」


「え?」


「実はチヅの家がこのクラブを建てることが決定して実質チヅが色々仕切ることになった時、この街の荒れようじゃ客が入らねーと思ったからなんだとよ、入ってもヤベー奴しか来ねえと思ったからって。実際この辺は治安良くなって色んな人が来る繁華街になったし」


「現実的な理由ですね」


「あいつも何だかんだ有馬だからな。色々あんだろ。荒れてたって理由もあるだろーけど」


「荒れてた⋯?」


最後の昴さんの言葉が気になり昴さんを見るけれど


「色々あんだろ」


新しい煙草を箱から抜き出した昴さんはそれ以上何も言うことはなかった。