君ありて幸福 【完】




「前に言ってたこの辺の不良は千鶴さん達の下ってどういう意味ですか?」

「あー⋯、」


面倒そうに言葉を発した昴さんに深入りし過ぎてしまったと思ったけれどそれはどうやら勘違いだったようで。


「そんなこと気になってたのかよ」


そう言いながら呆れたように笑う昴さんに素直に頷いた。




「俺らはただのダチ」

「友達、ですか?」

「ああ。出会いは最悪だったけどな」

「最悪って⋯どんな出会いだったんですか」

「少し前までここら辺は荒れてたんだよ」

「そうなんですか?」

「まあクソ真面目なお前は知らないだろーけどな」



その言い方が何だか子ども扱いされたように感じたけれど実際少し前までこの街が荒れていることなんて知らなかった。

学校が終わればすぐに家に帰っていたし、夜遊びなんて以ての外。
あさみのように活発な友達も居なかったあたしには最近初めて踏み入れた街だから。


そう思い昴さんの話に耳を傾けると驚きのセリフが聞こえた。



「んで、荒れてたのは俺と楓也のせい」


「昴さんと、楓也さんの⋯?」


「ああ」