君ありて幸福 【完】




「それと、」


フロアに向いていた千鶴さんの視線があたしへと移る。




「別に地味じゃない」


「え⋯」


「だからあんま卑下するな」


「⋯⋯っ」



ねえ千鶴さん。


千鶴さんは狡いよ。



どうしてそんなこと言うの?


そんなこと言われたらあたしはどうしていいかわからなくなる。



勘違いしそうな自分が、欲張りになっていく自分が、

日に日に増していくこの想いが止められなくなりそうで怖いよ。