君ありて幸福 【完】





それから千鶴さんとちょこちょこ話したり、あさみや楓也さんと話したり、たまーに、本当に一言二言昴さんと会話をしたりしながら過ごしていた時、



「あさみちゃんそのピアス似合ってるね」



さりげなく、にこやかに楓也さんが言った。



「えっ!本当ですか!?」

「うん。似合ってるよ」

「えー、ありがとうございます」


嬉しそうに、あさみが笑った。

そう言えば来た時に梓さんにもピアスのことを言われて嬉しそうにしてたあさみを思い出した。



「これ昨日買ったばかりなんですよ」

「そうなんだ?」

「はい!雪乃も似合うって言ってくれて即決しちゃいました」

「へえ、」


楽しそうに話す二人を見ていると隣から視線を感じて顔をそっちに向けると千鶴さんが真剣な表情であたしのことをみていた。


綺麗な双眸に見つめられてドキンと跳ねる心臓。



「千鶴さん⋯?」


声を出すのも精一杯だ。