君ありて幸福 【完】



「⋯っ」


なに、今の。


あたしの勘違い、じゃないよね?確かに今、来いって言ったよね?



「⋯っ」


まるで秘密の会話のように思えてボッと顔が熱を帯びた。



「あさみ、二階席、行こう⋯?」

「えっ!?今日も行っていいの?マジで?」

「うん⋯多分、行っても大丈夫だと思う」


確かにさっき来いって言ってたし、それなら行っても大丈夫だよね⋯。



「え~、じゃあ行こ行こっ!」

飲み物片手に手招きするあさみに頷き、二人で二階へと続く階段の方へと向かう。