「なーんか退屈だなぁ」


お昼休み、だらーんと椅子の背もたれに寄りかかりながらそう言ったあさみを購買で買ったクリームパンを齧りながら見る。



「退屈って?」

「この学校だよ」

「どうして?」

「だって堅苦しいんだもん、さっきも小林に何か言われたし」


不貞腐れたようにネイルの施された爪を弄るあさみに苦笑いが零れる。


小林、というのはうちの学校の生徒指導の先生でネイルや髪の毛を染める事が校則で禁止されている為、その全てを破っていると言っていいあさみとは度々口論をしている。

中には髪の毛を染めたりスカートの丈を随分短くしている生徒もいるけれど皆あさみほどではないから小林先生にはあさみは標的にされているってわけだ。




「女子高生のお洒落をわかってないんだよ、あいつ」




だからこんなに不機嫌なのか⋯。