君ありて幸福 【完】





お店を出て大通りを歩く。

夜の街はまだまだ人通りが多い。



「良いの買えて良かった。付き合ってくれてありがとね」

「ううん、でもそれ学校につけて行くの?」

「学校にはさすがに大きいからTrust行く時とかつけようかなって」

「そっか」

「うん」


あさみと会話をしながらネオンの輝く夜の街を歩いていると少し離れたところが途端に騒がしくなった。



「なんだろう⋯」

「さあ?」

不思議に思いあさみと顔を見合わせた後、その騒がしくなった方へと顔を向けた。




「っ!」


騒がしくなった方へと顔を向けたあたしの目に映ったのは千鶴さんだった。


「あ、千鶴さんだ」


あさみも人集りの中心にいる千鶴さんを見つけたのかそう言ったけれど、あたしにはその言葉に反応することが出来なかった。




だって、堂々と通りを歩く千鶴さんの隣にはとても綺麗な女の人が寄り添うように歩いていたから。




「私も一回でいいから寝てみたいなぁ」



近くにいた女の人の、耳を塞ぎたくなるような甘い声が聞こえた。