君ありて幸福 【完】




「これがクラブ···」


待ち合わせの駅から繁華街の方へと歩いて行くと見えた黒い建物。

そこまで外観は大きくはなかったけど独特の存在感を放つその建物を前に思わず立ち止まった。



「ビックリした?」

「ビックリっていうか、何か不思議」

「不思議?」

繁華街を歩く人達を見ればあたし達くらいの年の子もいれば、二十代くらいのキラキラした人達もいるし夜のお仕事をしてるんであろう人達もいる。

サラリーマンらしき人もいて、夜なのにネオンが輝き明るいこの街は不思議な感覚になる。




「この街で一番大きくて有名なクラブなんだよ」

「そうなの?···えっと、トラ、スト?」


クラブのドアに紫っぽいネオンで書かれているのは「Trust」の文字。



「Trust。ここの名前」

「そうなんだ」

「さ、早く入ろ。雪乃は私の友達だからすぐ入れるよ」

「うん」