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翌日もあたし達はTrustに来ていた。
今日も千鶴さん達に会えるんだろうかとドキドキして入店したけれどすぐに楓也さんがあたし達の元に来てくれて二階のソファ席へと連れていってくれた。
その途中、ざわめくフロアからたくさんの憎しみの篭った視線があたしとあさみに突き刺さっていることに気づいた。
⋯気づいていなかった訳じゃない。
あのグラスを割ってしまった日から⋯。
千鶴さんに初めて二階席に連れていかれた日から、たくさんの視線が痛いほど突き刺さっていることに。
千鶴さん達は良くも悪くも目立ち、たくさんの視線や歓声を毎晩浴びている。
あの容姿だ、それは当たり前のことなのかもしれない。
その中には彼らに熱烈な気持ちを抱いている人もいて、そんな彼女らの視線が痛い。
特に、フロアの端にあるソファ席。
二階のソファ席までとはいかないものの、豪華な造りで出来ているそこには一際綺麗でキラキラした女の人達や、お金を持っていそうな男の人が座っている。
男の人達は日によって変わっいるけど女の人は大体同じ十人くらいの人が座っている。
そんな彼女らの視線が、一番冷たく痛かった。