「千鶴さんてお金持ちだったんですね」
だけどよく考えればここは千鶴さんの家のクラブだと言っていたし⋯だけどまさか白蘭に通うほどのお金持ちとは⋯。それに頭も相当良いはず。
「雪乃ちゃん有馬財閥って知らない?」
ニコニコしている楓也さんにまさか⋯と思う。
「有馬財閥ってあの有馬財閥ですか?」
「そう、あの有馬」
「⋯⋯、」
「あの有馬の次男坊」
「⋯⋯、」
固まるあたしに楓也さんは更に笑みを深くした。
笑い事じゃない。
有馬財閥と言えばこの国屈指の大きな財閥でさまざまな事業を展開していて、有馬コーポレーションだとか有馬がつく会社が世界に溢れているくらいだ。
「千鶴さんて、凄い人だったんですね」
「親のスネかじってるだけだよ」
自嘲した千鶴さんは何だか寂しそうだった。



