この5年間の話を終える頃には、外はもう日が落ち始めていた


あたしの話が終わると亜紀は一言「成程」と、その場を終わらせた



『それだけか?』

「それだけ、とは?」

『他に何かあるだろ』



あれだけの話を簡単に一言で成程と終わらせられる内容ではない


もっと、他に言うことがあってもおかしくないのに、亜紀はたった一言で終わらせてしまった


そのことが不思議でしかない



突っ込み所は沢山あるはずなのに



だからと言って、質問攻めをされたい訳では無いが、それにしてもあっさりとしていて何か腑に落ちない




矛盾しながらも疑問が交差する



「他にですか?何も無いですよ。貴女が生きる為に、抗おうと足掻くする為に必要だったことなのでしょう?考えた末に行き着いた生きる術だと言うのであれば、私が兎や角言う筋合いはありませんし、過ぎてしまった事ですから何も言えません。でも、強いて言うのであれば……」



一度言葉をきり、あたしの目をしっかり捉えると言葉を続ける



「零(ゼロ)も落ちぶれましたね」


『は?』




その言葉に怒りを覚える