それから横溝から連絡が入り、アメリカ支社への話を受けてくれる事になった。

その後、俺は静香の説得に頭を悩ませた。

「静香、俺は日本に拠点を移す事になった」

「アメリカはどうするんですか」

「アメリカ支社は横溝に頼んだ、横溝を覚えているか」

「はい、とても優秀な方ですよね」

「だから、静香は何も心配しないで手術を受けてくれ」

「でも……」

「なあ、静香、俺達知り合って大部経つけど、どこか一緒に行ったり、何かを一緒にやったりと

思い出が無いだろう」

「そうですね」

「だから、手術を受けてそこからいっぱい思い出作っていこうよ、
翔太も静香の記憶を自分が思い出させるって意気込んでるんだ、
翔太に母親の存在がない思いをさせてもいいのか」

静香は俺の話を聞いて泣いていた。

「俺だって静香と一緒なら頑張れるから」

「でも、翔は仕事をして翔太の面倒を見て、私の事まで申し訳無いです」

「だから、静香は頑張って回復して俺を助けてよ、静香がいなくなったら、
俺一人じゃ出来ないよ、それに体力が回復すれば一緒に買い物行ったり、ご飯作ってくれたり
出来るだろう、静香のご飯また食べたいな」

静香はちょっと笑顔になった。