少し細い国道は、殆どずっと海岸沿いだ。

私は思わず、窓から海を眺めた。 

この辺りの海は、海水浴シーズン以外は、とても透き通っているとのこと。

「ちょっと降りようか」

香川さんは、まるでひとけのない海浜公園のパーキングに車を停めた。

砂に足をすくわれそうになると

「気をつけて」

と、そっと手を差しのべてくれた。