私は、本音を言えばみんなで騒ぐのは苦手なほうだ。

しかし、ここへ引っ越してきてから孤独には慣れてきたとはいえ、たまには賑やかなイベントに参加したい思いもあり、全く我ながら矛盾している。

BBQ当日も、みんながテキパキと準備している中、私はどうしていいかわからず、とりあえず必要な荷物を運ぼうとした。

(あれ…なんだか随分、重いな…)

オロオロしていると

「それ、重いから貸して」

低い美声に振り向くと、香川さんが居た。

「ハイ…でも私、何もしていないですし…」

消え入りそうな声で返すのが精一杯だ。

目の前の香川さんは、いつものスーツ姿と違い、ラフな私服だが、様になっている。