22才になった。

光太郎も親戚が営んでる会社で働き、資格をいっぱい取り、信頼も実力も付いていた。

「俺も26歳だしそろそろ考えようと思ってて…」

「うん」

「一度、母に会ってもらえる?」

「え…うん」

私はその日初めて光太郎の母に会いにお家に伺った。

「すごっでかっ」

光太郎の祖父は地主の為か凄い大きなお屋敷とも呼べるようなお家だった。

「はじめまして」

「はじめまして、京香さんね。光太郎より常々お話しは伺っております。さあどうぞ」

ニコリと微笑むもまるで私を品定めするかのような目で見られてる感じがして緊張からか手が震えた。

「また来てくださいね」

「はい、ありがとうございます。失礼します」

結局その日は無事と言っては失礼だが何事もなく会食は終わった。

「めっちゃ緊張したんじゃない?」

「うん、人生でこんな緊張したの初めて」

手が未だに震えてる私の手を光太郎は握ってくれた。

「じゃあまあ、よくわかんないけど婚約って事で」

「ふふふ、はい」

こうして私と光太郎は婚約した。

そして、光太郎のお母さんに3ヶ月後に報告をしに行った。

「ごめんなさい、私は二人の結婚に賛成出来ない」

ドキッと言うかグサっと言うか表現は難しいが言葉のナイフで胸元をおもいっきり抉られるような感覚になりまともにそこから声が聞こえなくなった。

「なんで?理由を教えてくれよ」

「良いわ、ハッキリ言うわ。京香さんは我が家に相応わしくないからよ」

「なんでそんな酷い事が言えるんだ?俺は京香じゃないとダメなんだ」

するとお母さんはテーブルの上に名刺をスッと差し出した。