怜王(れお)、“明日、高校”ってどういうこと?」
 後ろから凜空(りく)が腕を組みながら尋ねる。

「…はぁ、聞いてたのか」
「…そのまんまの意味だけど?」

「ありすちゃんに近づいたの」
「“名前がありす”だけじゃないよな?」
「あの子、何者?」

「…………」
 怜王(れお)は無言で靴を脱ぎ、居間に戻っていく。

 凜空《りく》は戻って来た怜王(れお)の右腕を掴む。
「明日から高校って本気かよ」

「え」
 夕日(ゆうひ)は驚く。

怜王(れお)、マジで!?」
 (しょう)が聞くと、

「…あぁ、本気だ」
 怜王(れお)が真面目な顔で答える。