私、なんで受け取ってしまったんだろう。 「…それ美味しいから」 「…刺激的。じゃあな」 男の子は部屋に戻ろうとする。 「あっ、待って」 「名前、聞かせて」 男の子は驚いた顔をした。 「…俺のこと知らねぇの?」 「え?」 「…ほんとに知らないんだな」 「…まぁ、好都合だけど」 好都合? 「あの?」 「…月沢怜王(つきさわれお)」 「…お前は?」 「私は星野(ほしの)ありす」 「飾紐(りぼん)高校2年生」 「…俺も同じ」 「…またな、星野(ほしの)」 男の子はそう言って部屋に入って行った。