ふわり。 月沢(つきさわ)くんの左手が私の右手に触れた。 ぎゅっと恋人繋ぎをする。 優しい風が吹き、 望(のぞむ)先輩の髪が靡(なび)く。 望(のぞむ)先輩は穏やかな顔で笑った。 月沢(つきさわ)くんは泣きそうな顔を浮かべる。 2車線の道路を一台の車が通り抜けた。 望(のぞむ)先輩と監察官の男性がイスタードーナッツの方に歩いて行く姿が見え、月沢(つきさわ)くんは頭を下げる。 望(のぞむ)先輩達の背中が小さくなっていき、やがて姿が見えなくなった。 月沢(つきさわ)くんを見ると、顔に右手を当てて、泣いていた。 それを見て、私も涙を流す。