イケメン総長は、姫を一途に護りたい

その無邪気な顔は、わたしの知っている弟っぽいヒロトくんのはずなのに――。


「総長と付き合ってないのなら、オレと付き合ってくださいっ」


まさか、そんなことを言ってくるようなコだとは…思っていなかった。


突然の言葉に、わたしは一瞬思考回路が停止する。


「…えっと。ヒロトくん、からかっちゃダメだよ」

「からかってませんっ」

「それなら、なにかの冗談…?」

「いや、本気ですっ」


『本気』って言ったって、全然表情がそんなんじゃない。

まるで、わたしの反応を楽しんでいるようにも見える。


「初めて会ったときから、咲姫さんのことカワイイなって思ってました」


わたしの顔を覗き込むヒロトくんが、どんどんわたしに迫ってくる。


そして、いつの間にか、壁際に追い込まれてしまっていた。