イケメン総長は、姫を一途に護りたい

わたしは、そばにあったカウンターチェアに腰掛けて、アジトの中を見渡した。


『暴走族』っていうから、もっとこわい人たちばかりなのかなと思っていたけど、実際は全然そんなことはなくて。

学校にいる男の子となんら変わりない。


それにみんな、遊んでふざけて楽しそう。


千隼くんだって、メンバーとじゃれ合って、笑顔がこぼれている。

普段見せないような表情を見れて、ここに連れてきてもらってよかった。



「さ〜きさんっ」


様子を眺めていたわたしのところへ、ヒロトくんがやってきた。


「総長、あの感じだと、まだ当分帰ってこないっすよ?」

「みたいだね」

「ここにいたって暇でしょうから、よかったらオレが、アジトを案内しましょうか!?」

「いいのっ?」

「はい!オレについてきてください!」