イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「…緊張して、あまりクラスメイトに目を向けられなかったし、始業式後は他の男の子たちでいっぱいだったから…」


…あのときは、そんな余裕なんてなかった。

それに、赤髪の人はクラスに何人かいたからなぁ。


だけど、間近で見るカオルくんは、うらやましいくらいに白くて艶のある肌。

そして、千隼くん並みに整った顔。


これで、もうカオルくんのことは覚えた!


「これからよろしくね、カオルくん」

「ああ」


カオルくんはぶっきらぼうにそう言うと、わたしに背中を向けた。



「総長!ちょっと、こっちにきてもらってもいいっすか!?」


遠くのほうで、千隼くんが呼ばれている。


「わりぃ、咲姫。ちょっと行ってくるから、ここで待ってて」

「うんっ」


千隼くんは、わたしをその場に残して行ってしまった。