イケメン総長は、姫を一途に護りたい

メンバーには、もちろん千隼くんよりも年上の人だっているんだろうけど――。

そういうのは関係なく、平等にメンバーに向ける優しい瞳は、見ていてとても心地よかった。



「あっ!咲姫さんじゃないっすか〜!」

「ヒロトくん!」


ヒロトくんも今年から皇蘭中学だから、千隼くんと同じ黒の学ランを着ていた。

中には水色のパーカーを着て、フードを出している。


「他にも、皇蘭中学の人はいるの?」

「ん〜っと。今日はあんまりきてないっすねー。でも、皇蘭だけで100人近くは慧流座に入ってますよ」

「…そんなに!?」

「はいっ。…あ!あそこにも、皇蘭の人がっ」


ヒロトくんは、低い身長ながらピョンピョンと高く飛んで、わたしに指さして伝えようとしてくれている。


わたしも、ヒロトくんが指す方向に首を伸ばして見てみると――。