イケメン総長は、姫を一途に護りたい

オレンジ色の豆電球が室内を照らし、古びたゲーム機たちが音を立てて動いている。

もうそこは、賑やかなゲームセンターの光景だった。


そのゲームで遊んだり、他の人と話したりで、楽しそうな声も飛び交う。


ボロボロの建物の外見からは想像がつかないくらい、ここだけ別世界のような空間だ。


思わず、口がポカンと開く。


「…千隼くん。ここって…なんなの?」


わたしが尋ねると、部屋からの明かりで横顔が照らされた千隼くんが微笑む。


「歓迎するよ、咲姫。ここは、俺たち慧流座のアジトだ」



千隼くんが中へ入ると、さっきまで遊んでふざけていた人たちがみんな手を止めて、ビシッと起立しだした。


「「総長、おかえりなさいませ!」」

「ああ。…お前ら、楽にしていいぞ」

「「はい!」」


千隼くんがそう声をかけると、またみんなは何事もなかったかのように遊びだす。