イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「うわ〜!すごいっ!」


思わず、わたしは声を上げた。


なぜなら、カバーの下には、黒光りに輝く大きなバイクが眠っていたから。


「これ、千隼くんの!?」

「ああ。これでも一応、暴走族の総長だからな」


千隼くんは慣れた感じでバイクに跨がると、後ろのシートを叩いた。


「咲姫はこっち」

「わたしも乗っていいの?」

「ああ。普段、女は乗せねぇよ。咲姫だけは特別」


千隼くんは、わたしにヘルメットを手渡してくれた。

でも、なかなかうまくつけることができず、千隼くんが手伝ってくれた。


「しっかりつかまってろよ」

「うん…!」


わたしが千隼くんの大きな背中にギュッとしがみつくと、千隼くんはバイクを走らせた。



そして、10分ほど走ったところで、バイクはあるところで止まった。