イケメン総長は、姫を一途に護りたい

わたしは、いろいろと考えちゃう。


いびきをかいてたらどうしようとか。

歯ぎしりしてたらどうしようとか。


――それに。

どうやって着替えをしよう…とか。


「お父さんの頼みだからって、さすがにこれは…いやでしょ?」


だから、一度校長先生に聞いてみようと、部屋のドアを開けようとした――そのとき。


わたしの行く手を封じるかのように、千隼くんがドアに手を付いた。


その反動で、開きかけたはずのドアが勢いよく閉まる。


「俺は、ちっともいやなんかじゃないよ」


そう言って、わたしの顔を覗き込んでくる千隼くん。


「むしろ、咲姫が違う男の部屋に行くほうがいやなんだけど」


顎に手を添えられ、クイッと持ち上げられる。

そうされたら、わたしを見つめる千隼くんの瞳から逃れられなくなってしまう。