イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「咲姫の部屋だろ?知ってるよ」


千隼くんは、振り返ることなくそう言った。


どうりで、迷いなく廊下を歩いているわけだ。



そして2階へ上がり、【202】と書かれたドアを見つけた。


「昨日のうちに預かった荷物も、部屋に置いてあるから」

「ありがとー!」


千隼くんにお礼を言って、部屋のドアを開ける。


すぐ目に飛び込んできたのは、ロフト。

1つの部屋なのに、まるで2階建てのような間取りになっている。


そのロフトの柵の隙間から、わたしの荷物が見えた。


新しい部屋に興奮して、スリッパを脱ぐと、すぐさま階段を上ってロフトへ上がった。

ベッドと勉強用の机もあるけど、ロフトと言っても十分な広さがある。


そして、そのロフトの下がトイレとシャワー室。


1人で暮らすには、もったいないくらいの広々とした部屋だ。