「え…?」


千隼くんはわたしの手を引くと、足早に3階の階段を駆け下りた。


まるで、生徒会室から遠ざけるかのように。



そのあとは、いよいよ寮を案内してもらうことに。


一度学校から出るけど、寮があるのはそのすぐ隣。

塀で囲まれた、その中にある。


千隼くんは、ポケットから取り出したカードを鉄柵の門のそばにある機械にかざす。

すると、門からガチャッという音がした。


「咲姫は、もう渡された?このカードキー」

「うん!朝に、校長先生から」


わたしはリュックからカードキーを出して、千隼くんに見せる。


「寮と外を出入りするには、このカードキーが必要。普段はこれで門は開けられるけど、それができるのは、朝の7時から夜の18時までの間」


それ以外の時間帯は、インターホンを押して、寮の管理人さんに開けてもらわないといけないんだそう。