だからそのあと、千隼くんに校内を案内してもらった。


まだ、自分の教室と職員室の場所しかわからない。


…保健室、図書室、音楽室、理科室、家庭科室などなど。


ある程度の教室の場所は教えてもらった。


1階は1年生の教室があり、2階は2年生、3階は3年生という校舎の造りだ。


そして、わたしは今3階を案内してもらっている。


「ねぇ、千隼くん。あの突き当りの教室はなんなの?」


わたしは、遠くのほうの教室を指差す。


その下の階は、図書室。

さらにその下の階は理科室のはずだから、おそらくあそこもなにかしらの特別教室のはずだ。


だけど千隼くんは、その教室を睨みつけたまま動かない。


「あそこは…、生徒会室だ」


千隼くんが、ようやく重い口を開いた。


しかし――。


「…咲姫、あの部屋には近づくな」