だけど、そんな素直な生徒ばかりではない。


「なんだよ、偉そうにっ」

「後輩のくせに、生意気なんだよ!」


そう言って、千隼くんの言葉を無視して侵入してくる3年生の先輩もいたけど――。


「…いででででででっ!!」

「お前っ…、先輩に手ぇ上げていいとでも思ってるんかぁ〜!」

「お前らこそ、俺がだれだか知ってて、喧嘩売りにきてるのか?」


すぐさま千隼くんに捕らえられ、関節技をきめられるのだった。


だから今のところ、男の子になにかされたことはない。

本当に、心強い用心棒だ。


『いつでも咲姫のそばにつかせることができるしな!』


千隼くんは、お父さんの頼みを忠実に守ってくれていたのだった。



そして転校初日は、始業式と簡単なホームルームだけで、お昼までには終わった。