イケメン総長は、姫を一途に護りたい

そのあと、まだわたしが千隼くんの電話番号を登録していないことを知られ、再び怒られるハメになってしまったのだった…。



ふと時計を見ると、もう夜の10時前。


「じゃあ俺、そろそろ帰るから」

「うんっ。今日はありがとう」


千隼くんを玄関まで見送りに行く。


「ちゃんと俺の番号、登録したよな?」

「ちゃんとしたってばっ」


さっき、千隼くんの目の前で、スマホの連絡帳に登録したんだから。


「俺が出て行ったら、すぐに玄関のドアの鍵を閉めることっ」

「わかったよ」

「家中の戸締まりをしているか、確認してから寝るんだぞ?」

「大丈夫だって」


なんだか、心配性のお父さんに似てきたような気がする。


千隼くんが追い払ってくれたから、もう山根くんが姿を見せることはないだろう。