イケメン総長は、姫を一途に護りたい

わたしに信用されていないのではと思って、打ちひしがれていたんだ。


「それで、慧さんに言われて駆けつけてみたら、変な男に襲われそうになってるし…。ほんと、心臓止まるかと思った…」


戦隊もののヒーローのように、クールに駆けつけてくれたと思っていたけど――。

あのとき、顔には出さなかったけど、本当はとっても動揺していたの…?


「今度から、一歩でも外に出るときは、俺に連絡することっ。わかった?」


千隼くんは、両手でわたしの両頬をつまむ。


「…ひゃいっ」


「はい」と言いたかったのに、顔を横に引き伸ばされ、口元をうまく動かせなくて、変な声が出てしまった。


だけど千隼くんは、わたしのその言葉を聞くと、満足したように微笑んだ。


また、優しい千隼くんに戻ってくれた。

――かと思いきや。