イケメン総長は、姫を一途に護りたい

線の細い山根くんが千隼くんの力に敵うはずもなく、なにかを手にした右手が現れる。


山根くんの右手に握られていたもの…。


それは、薄ピンクの色をした…封筒だった。

封筒の口の部分には、ハートのシールで封がしてある。


てっきり、なにか危ないものだと思っていたから、わたしも千隼くんも、一瞬目が点になる。


も…もしかして、これって。


「「…ラブレター?」」


わたしと千隼くんの声が重なった。


拍子抜けして力が緩んだのか、千隼くんの縛りからなんとか逃げ出す山根くん。


「咲姫ちゃんに、ボクの想いを書き綴った手紙を渡したかっただけなのにっ…!!そのボクの邪魔をするなんて…!ゆっ…許さないからな、この不良!」

「おーおー、なんとでも言え。返り討ちにしてやるよ」


指をポキポキと鳴らす千隼くん。