だから、残り少ないお父さんとの時間、あまり心配させないようにと、春休みの間は門限をきちっと守って、家のこともがんばった。



そうして、お父さんが引っ越す前日…。

わたしは単身赴任するお父さんへ、プレゼントを買いにきていた。


今まで貯めたお小遣いを使って、ネクタイピンを購入。


お父さん、どんな顔するかな〜?


お父さんの喜ぶ顔を想像したら、なんだかわたしのほうがにやけてしまう。


…そのせいで、ちゃんと前を見ていなかった。


あっ!と思ったときにはもう遅く、わたしはなにかに思いきりぶつかってしまった。

そして、その拍子に地面に尻もちをつく…。


「…いたたたっ」


お尻を擦りながら見上げると、そこにはわたしを見下ろす男の人たちがっ…。


金髪、銀髪、青い髪や緑の髪。