イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「…てめぇ、そもそも顔を見せろ!」


荒々しくフードを剥ぎ取る千隼くん。


そして、露わになった顔を見て、わたしは目を丸くした。


「あ…あれ?キミって、もしかして…」



太くて丸い黒縁メガネが特徴的。


…見覚えのある顔。


それもそのはず。

黒のパーカーの男は、…わたしと同じ中学に通っている同級生だった!


確か…隣のクラスの、名前は…『山根(やまね)くん』だった気がする。


とくに、親しく話すような仲ではない。


だけど、…入学してすぐに告白されたことがあった。


『にゅ…入学式のときに、一目惚れしましたっ。ボクと付き合ってください!』


…と。


そのときは丁寧にお断りしたんだけど、もしかして山根くん…そのときから――。



「ずっ…ずっと、咲姫ちゃんのことが忘れられませんでした…!」