部屋が別々になってしまったから、千隼くんに会えるのは学校だけ。


そんな寂しがり屋なわたしのために、千隼くんは時間があれば部屋に呼んでくれた。



無口でクールな生徒会長。

そして、慧流座の最強総長。


周りからは、そう思われている千隼くん。


だけど、2人きりになると甘い一面を見せるのは、みんなには知られていないこと。


わたしだけが知る、千隼くんの顔だ。



「咲姫、おいで」


わたしを部屋へ招き入れると、待ってましたと言わんばかりに唇と奪う。


「新入生の男共が、咲姫のこと噂してた」

「…えっ!よくない噂…!?」

「…いや。3年の先輩がかわいいって」


そう言って、ムスッとした表情の千隼くんが、わたしを抱きかかえる。

そして、連れてこられたのはベッドの上。


「正直、…焼いたっ。年下相手だったとしても、ぜってぇ咲姫は渡さねぇって」