イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「そんなことないよ。僕だって、咲姫を守るために必死だったからね」


今は、202のわたしたちの部屋。

蛇覇との勝負から、12時間後だ。


熱がまだ下がらない病人のわたしと、ケガ人の千隼くんために、わざわざ光さんが看病しにきてくれていた。



蛇覇はというと、あのあと再起不能になるくらい亜麗朱が締め上げたんだそう。

卑怯な手口で今まで勝っていただけで、亜麗朱が正面から喧嘩を挑んで攻めてこられては、さすがに手も足も出なかったんだそう。



「つーか、二階堂。お前あのとき、何気に『僕の咲姫』っつったろ」

「なんだ?意識が朦朧としていたくせに、そんなことは覚えているのか」

「うっせー。俺の咲姫を、勝手に自分のものみたいに言ってんじゃねーよ!」

「僕は隙あらば、いつでも咲姫を奪うつもりではいるけどね」