イケメン総長は、姫を一途に護りたい

ソウゴは、千隼くんの視線の先にいるわたしに目を向ける。


「もし、お前が条件を呑むと言うのなら、考えてやってもいいぞ」

「…条件?」

「ああ、簡単なことだ。あいつをやめて、オレの女になれ」


……えっ…。


「そうすれば、今すぐにでも手を引いてやる」


わたしの反応を楽しむソウゴ。


千隼くんを守るには、わたしがソウゴと――。


でも…、そんなのいやっ…。

千隼くんじゃなきゃ…いやなんだ。



わたしはソウゴを睨みつけると、顔を背けた。


「あいつと同じで、お前も強情なんだな」


あざ笑いながら、反抗的なわたしの唇をソウゴが指でなぞった。


――その途端。


「…てめぇ!汚い手で、咲姫に触れんじゃねぇ!!」


千隼くんの怒鳴り声が響く。


ハッとして目を向けると、ボロボロだった千隼くんが敵の攻撃をかわし、大きくジャンプをした。