イケメン総長は、姫を一途に護りたい

こんな状況に置かれても、わたしを守って、最強の暴走族という称号さえも守ろうとしていた。



「…ったく、しぶといヤツだな。最強を貫いてきたその自慢の腕を、ここでへし折ってやるのもいいな」


不気味なくらいにニヤリと微笑むソウゴを見て、わたしは背筋が凍りついた。


「お願いだから…もうやめて。これ以上やったら、千隼くんが死んじゃうよ…!」


わたしが捕まったせいで、こんなことになるなんて…。


わたしはどうなってもいいから、千隼くんだけは助けてほしい。


わたしの瞳から、ボロボロと涙が溢れ出す。

それを見て、おもしろおかしく笑うソウゴ。


もがいてみるけど、やっぱりソウゴの腕から逃れることはできない。


「…咲姫、待ってろ。今…そっちに行くからっ…」


腕を押さえ、足を引きずりながら、一歩一歩わたしのところへ向かおうとする千隼くん。