イケメン総長は、姫を一途に護りたい

千隼くんは素手で戦っているのに…!


「武器を持ち出すだなんて、…卑怯すぎる!」


わたしは、ソウゴを睨みつける。

しかし、鼻で笑われる。


「だから、さっきも言っただろ?卑怯なのが、オレたちのやり方だって」


蛇覇、そしてソウゴには、暴走族として誇りの欠片すらない。

喧嘩も正々堂々とできないし、1人相手に寄ってたかってやりたい放題。


こんなヤツら…相手にするだけ無駄。


――だから、もう戦ってほしくなんかないのに。


千隼くんは、それでも立ち上がろうとする。


「…いってぇ。卑怯な手口は、さすが蛇覇っていうか…」

「…千隼くん!もういいよ、逃げて!」

「咲姫を置いて、そんなことできるかよっ」


きっと、さっき鉄パイプで頭を殴られたせいだ。

千隼くんの足元がフラついている。