イケメン総長は、姫を一途に護りたい

そんな千隼くんに、蛇覇のメンバーは次々と拳を振りかざして突進する。


しかし、まるで遊ばれているかのように、千隼くんにいともたやすく弾かれていた。

そのまま千隼くんは、蛇覇の群れに突き進んでくる。


「…雑魚と遊んでる暇はねぇんだよ。こいよ、ソウゴ。咲姫は返してもらうぞ」


周りは１００名近くいる蛇覇に囲まれているというのに、恐れるどころか、千隼くんはソウゴに向かって堂々と指をさす。


「やっぱり、あいつらじゃ相手にならねぇか」


ソウゴはため息をつく。

しかし、千隼くんのもとへ向かう素振りはない。


なぜかソウゴは、わたしのところへやってきて――。


いきなり、背後からわたしの首元に腕を差し込み、千隼くんによく見えるように無理やり立たせたのだ。


太い腕に、首が圧迫されて息苦しいっ…。