そしてその隙に、わたしを寮から連れ出すための。
「オトリなんだから、勝ちも負けもねぇよ」
「だったら、正々堂々慧流座と勝負したらいいじゃない…!こんなことして、千隼くんを呼び出すなんて…卑怯よっ」
「卑怯で結構!それが、蛇覇のやり方だからな」
ハナから、まともに千隼くんに勝負を挑むつもりはないようだ。
わたしさえ捕まっていなければ、千隼くんが巻き込まれることもなかったのに…。
ここから逃げ出せたらいいものの、両手首は縛られていて、身動きが取りづらい。
それに、また熱が上がってきたのか、体の自由もきかなくなってきた。
わたしのことなんてどうでもいいから、千隼くんがこないことを願った。
…だけど、わたしは知っている。
千隼くんは、自分が『守る』と決めたのなら、それを全力で守ろうとする勇敢な人であることを。
「オトリなんだから、勝ちも負けもねぇよ」
「だったら、正々堂々慧流座と勝負したらいいじゃない…!こんなことして、千隼くんを呼び出すなんて…卑怯よっ」
「卑怯で結構!それが、蛇覇のやり方だからな」
ハナから、まともに千隼くんに勝負を挑むつもりはないようだ。
わたしさえ捕まっていなければ、千隼くんが巻き込まれることもなかったのに…。
ここから逃げ出せたらいいものの、両手首は縛られていて、身動きが取りづらい。
それに、また熱が上がってきたのか、体の自由もきかなくなってきた。
わたしのことなんてどうでもいいから、千隼くんがこないことを願った。
…だけど、わたしは知っている。
千隼くんは、自分が『守る』と決めたのなら、それを全力で守ろうとする勇敢な人であることを。



