イケメン総長は、姫を一途に護りたい

それに、内容だって卑怯だ。


ここには、蛇覇のメンバーが100名近くいるのに、千隼くん1人でこいだなんてっ…。


「…もしかして。わたしは、千隼くんを呼び出すための人質…?」

「自分の立場をよくわかってるじゃねぇか。ここらじゃ恐れられる暴走族の頭のくせに、女にのぼせ上がってるなんて、笑えるよなっ」


ソウゴは、千隼くんをバカにしたようにして笑う。


「でも、蛇覇は慧流座に負けたんでしょ…!?蛇覇に捕らえられた慧流座のメンバーを助けるために、千隼くんは――」

「ああ、それな。ただのオトリだから」

「…オトリ?」

「お前を攫うために、あいつを引き離す必要があったからな」

「そんなっ…」


すべては、ソウゴの計画だった。


適当に慧流座のメンバーを捕らえ、千隼くんがそこへ駆けつけるのを待つ。