イケメン総長は、姫を一途に護りたい

…この人は、一体。



「お前のことが大事なら、あいつも教えておくべきだよな?…蛇覇に狙われるかもしれねぇって」


蛇…覇……?


それって、千隼くんが言っていた、この辺りを荒らし回っているっていう…あの『蛇覇』?


「オレの名前は、ソウゴ。訳あって、お前を利用させてもらうために連れてきた」


その名前…、聞いたことある。


『ソウゴ』って確か…、蛇覇の“総長”…!?


連れてきたと言っているけど、わたしになんの用があって…。



ソウゴに視線を落とされ、周りには蛇覇のメンバーらしき人々。

意識のない間に連れてこられた場所は、どこかもわからないような廃工場と思わしき建物。


恐怖のあまり溢れる涙をなんとかこらえながら、せめてもの抵抗で、わたしはソウゴを睨みつけた。


「その顔…、たまんねぇなっ」