イケメン総長は、姫を一途に護りたい

その乱暴さに驚いて、重たかったまぶたを見開けた。


わたしの目の前にいたのは、右の目尻に裂いたような傷痕のある…銀髪の男の人。

両耳には、痛いくらいに複数のピアス。


見たこともないその人に、わたしは恐怖で声を上げることもできない。


「へ〜。けっこうカワイイ顔してんじゃんっ」


頬を気持ち悪いくらいに撫でられ、わたしは身をよじる。

かかる吐息がたばこ臭い。


「だ…だれ……」


なんとか、声を絞り出す。


そんな蚊の鳴くような声に、その人は鼻で笑う。


「…ハッ!オレのこと、知らねぇの?あいつから、なにも聞かされてない?」

「…あいつ?」

「慧流座の総長だよ。お前、あいつの女なんだってな」

「千隼くん…!?」


わたしの反応を見て、ニヤリと笑っている。


慧流座のことも、わたしと千隼くんが付き合っていることも知っている。