イケメン総長は、姫を一途に護りたい

慧流座のメンバーが蛇覇に捕らえられていると、ヒロトくんから連絡があったのだ。


それはつまり、蛇覇からの宣戦布告。


でも、まだ勢力差があるっていうのに、今そんなことをしたって返り討ちにあうだけなのに…。



「蛇覇の総長の“ソウゴ”は、頭のイカれたヤツだとは聞いてたが…。まさか、いきなり慧流座に喧嘩を吹っかけてくるとはな」


千隼くんはスマホを握りしめながら、下唇を噛みしめる。


「…咲姫、わりぃ。俺、行かねぇと」


千隼くんが危ない目にあうのは…いや。

だけど、慧流座のメンバーが危ない目にあっているのもいやだから…。


わたしは、黙って頷いた。


〈ヒロト、今からすぐに向かう。場所教えろっ〉


千隼くんは、シャツの上から脱ぎ捨てた学ランを羽織ると、部屋から飛び出していった。